【豪雨で道路が川になる理由】合流式下水道と分流式下水道の違いは何?|東京23区東部のインフラ事情も合わせて

はじめに:ゲリラ豪雨のたびに思い出す「足元のインフラ」

近年、毎年のように発生するゲリラ豪雨や線状降水帯。テレビでは道路が川のようになり、車が水に浸かる映像が繰り返し流れます。

そのたびに「なぜ近くに川もないのに、街がこんなに浸水するのか?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

実はその答えは、私たちの足元──地下に張り巡らされた下水道の「仕組みの違い」にあります。

下水道には大きく分けて「合流式」と「分流式」の2種類があり、東京23区の東側、つまり正和興業が日々守っているエリアは、実は合流式が大半を占めているのです。

今回は、知っているようで知らない、下水道の「2つの方式」について分かりやすく解説していきます。



そもそも下水道は何のためにあるのか?

下水道の役割は、大きく分けて2つあります。

  • ひとつは、家庭やオフィスで使われた「汚水」を処理場まで運び、きれいにして川や海に戻すこと。
  • もうひとつは、道路や屋根に降った「雨水(うすい)」を速やかに排除し、街の浸水を防ぐこと。

この2つを「どう運ぶか」によって、下水道の方式は分かれます。



2つの方式|合流式と分流式とは

合流式下水道とは?

合流式下水道とは、汚水と雨水を1本の管にまとめて流す方式のことです。

管が1本で済むため、建設コストが安く、工事の手間も少ないというメリットがあります。日本で下水道整備が本格化した昭和初期から高度経済成長期にかけて、多くの都市が採用してきました。


分流式下水道とは?

一方、分流式下水道は、汚水を流す管と雨水を流す管を別々に分けて整備する方式です。

建設コストはかかりますが、汚水だけを確実に処理場へ運べるため、水質保全の観点で非常に優れているのが特徴です。近年新たに整備される下水道は、ほとんどがこの分流式となっています。



なぜ東京23区は「合流式」が多いのか?


東京の下水道整備は、明治・大正期から少しずつ進められ、関東大震災や戦災を経て、戦後の急速な復興・人口増加に対応する形で一気に拡大しました。

当時は、とにかく早く・安く・広く整備することが最優先課題。汚水と雨水を分ける余裕はなく、1本の管にまとめて流す合流式が採用されたのです。

その結果、東京23区の下水道は、約8割が合流式という構造になりました。特に正和興業が活動する台東区・荒川区・足立区・墨田区・江東区など23区東部エリアは、ほぼ合流式で整備されています。



合流式の弱点|雨が降ると何が起こるのか?

合流式は便利な反面、晴れの日と雨の日で「管の中の状況」が劇的に変わるという弱点があります。

晴れの日:汚水だけが流れる

通常時、管の中を流れるのは家庭やオフィスからの汚水のみ。処理場に送られて、きれいにされてから川や海へ放流されます。


雨の日:管の容量を超えると…

問題は大雨のときです。汚水に加えて雨水が一気に流れ込むことで、管が処理しきれる量を超えてしまうのです。

この状態になると、管の中の水が逆流し、マンホールから噴き出したり、低い土地で内水氾濫として地上に溢れたりします。これが「ゲリラ豪雨でなぜ街が浸水するのか」の答えです。



合流式特有の問題「越流(CSO)」とは


さらに合流式には、もう一つ大きな課題があります。それが「越流(えつりゅう)」、英語ではCSO(Combined Sewer Overflow)と呼ばれる現象です。

処理場の処理能力を超えた汚水混じりの雨水は、衛生上の問題があっても、街の浸水を防ぐためにやむを得ず川や海へそのまま放流されてしまいます。

これにより水質が一時的に悪化し、生態系や水辺環境に影響を与えることが、近年大きな課題として取り上げられています。



問題を解決するための工事と、私たちの役割

では、こうした合流式の課題に対して、どのような対策が行われているのでしょうか。

  • 雨水貯留施設の整備:地下に巨大な貯留管・貯留池をつくり、雨水を一時的に溜めて処理場に送る
  • 管路の増強・更新工事:老朽化した管を新しい大口径の管に更新し、流下能力を上げる
  • 管更生工事:道路を掘らずに管の内側から補強し、漏水や破損を防ぐ
  • 雨水浸透施設:地表に降った雨を地中に染み込ませ、管への流入量そのものを減らす

これらの工事を支えているのが、まさに正和興業をはじめとする下水道工事のプロフェッショナルたちです。

普段は誰の目にも触れない地下で、東京の暮らしと安全を守るために、日々現場が動いています。



まとめ:足元の仕組みを知ると、仕事の見え方が変わる

都市の便利な暮らしは、地下のインフラと、それを守る人の手で成り立っています。


合流式と分流式──たった2文字の違いが、街の浸水リスクや水環境を大きく左右しているという事実。それを知ると、毎日の現場仕事の意味が、少しだけ違って見えてくるはずです。

正和興業は、東京23区東部の合流式下水道を中心に、調査・点検・更生・修繕までを一貫して担う会社です。

「街の安全を地下から支える仕事に興味がある」という方は、ぜひ採用ページもご覧ください。


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