はじめに:老朽化した下水道管を「新しい管」に蘇らせる技術
日本のインフラを支える下水道管。その多くが高度経済成長期に建設され、老朽化が進んでいます。この問題を解決するため、道路を掘り返さずに管を内側から再生させる「管更生工事」の重要性が増しています。
その中でも、既設管の内側に“新しい管”をその場で作ってしまう「製管工法」は、特に高度な技術力が求められる分野です。本記事では、その代表格である「ダンビー工法」と「SPR工法」について、その違いを分かりやすく徹底比較します。
【SPR工法】とは?帯状の材料を“らせん状”に巻き立てる技術

SPR工法の仕組み
SPR工法は、マンホールから「プロファイル」と呼ばれる硬質塩化ビニル製の帯状の材料を送り込み、既設管の内側で専用の製管機がそれを“らせん状”に巻き上げながら、プロファイル同士を連結させて新しい管を構築していく工法です。最後に、既設管と新しく作った管の隙間に特殊な充填材を注入し、一体化させて強度を高めます。
SPR工法の主なメリット
この工法の最大の強みは、その柔軟性にあります。らせん状に巻き立てていくため、円形だけでなく、馬てい形や矩形といった特殊な形状の管にも滑らかに対応できます。また、施工中も下水道の流れを完全に止めずに工事ができる「通水下施工」が可能である場合が多く、市民生活への影響を最小限に抑えられる点も大きなメリットです。
【ダンビー工法】とは?ストリップ部材を“縦方向”に連結する技術

ダンビー工法の仕組み
ダンビー工法は、既設管の内面に沿って、「ストリップ」と呼ばれる硬質塩化ビニル製の長い板状の部材を縦方向(長手方向)に設置していきます。ストリップの側面には特殊な継手があり、これらを連結させて円筒状のパネルを形成。最後に、既設管と新しく形成したパネルとの隙間に、流動性の高いモルタルなどを注入(裏込め)して強固に一体化させます。
ダンビー工法の主なメリット
この工法の特徴は、裏込め材を注入することによって、既設管と新しい更生材が一体となった、非常に高い強度を持つ複合管を構築できる点です。部材が軽量で、人力での運搬・設置が可能な場合が多く、比較的大掛かりな機械を必要としない現場でも施工しやすいという利点があります。
一目でわかる!ダンビー工法とSPR工法の違い

どちらも「製管工法」に分類されますが、その原理やプロセスには明確な違いがあります。ここでは、4つの主要なポイントで比較してみましょう。
比較表で見る2つの工法

ポイント1:材料の形状
- SPR工法は、トイレットペーパーのようにロール状に巻かれた、比較的幅の狭い帯状の材料を使います。
- ダンビー工法は、それよりも幅が広く、初めから長い板状の材料を使います。
ポイント2:製管の方向
- SPR工法は、帯状の材料を専用の機械で回転させながら、らせん状(スパイラル)に巻き上げて管を形成します。
- ダンビー工法は、板状の材料を管の縦方向(長手方向)に沿わせて連結し、円筒を組み立てていきます。
ポイント3:一体化の方法
古い管と新しく作った管を一体化させる方法にも違いがあります。
- SPR工法では、隙間に特殊な充填材(裏込め材)を注入する方法が主流です。
- ダンビー工法も同様に、隙間に流動性の高いモルタルなどを注入して強固に一体化させます。
ポイント4:特徴的な強み
これらの違いから、それぞれの工法の得意な場面も変わってきます。
- SPR工法は、らせん状に巻き上げるため、円形でない特殊な形の管にも対応しやすく、また施工中も水を止めずに行える「通水施工」が得意です。
- ダンビー工法は、モルタルを注入して一体化させるため、非常に高い強度を持つ複合管を構築できるのが大きな強みです。
まとめ:現場に最適な工法を見抜く、プロの技術力

ダンビー工法とSPR工法は、どちらも老朽化した下水道管を蘇らせる優れた技術ですが、その原理や得意な状況は異なります。
現場の管の状態、形状、周辺環境などを正確に診断し、数ある工法の中から「なぜ、この現場にはこの工法が最適なのか」を判断し、確実に施工する。それこそが、私たちインフラを支える技術者に求められる専門性と、この仕事の面白さです。
正和興業は、SPR工法をはじめとする管更生工事のプロフェッショナル集団です。技術の探求に終わりはありません。
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